市民共同発電について
今、わが国ではかつてないほどに再生可能エネルギーへの関心やその普及への期待が高まっています。2011年3月11日の東日本大震災により福島第一原発事故が起きて、地震大国である日本は原発に依存する事の危険性が誰の目にも明らかになりました。その背景もあり現在はエネルギーの分散化を目指し市民(国民)が自治体と一体となって再生可能エネルギーを推進普及していくべきだと考える人が多数となってきたのです。
2012年7月に固定価格買取制度の制度が施行され、わが国でも再生可能エネルギーの普及速度が上がって来ました。しかし、案件のほとんどは企業などの資本力のある媒体が中心で個人での取り組みは住宅用に留まっていたのが現状でした。
そこで重要な役割を果たすのが「市民共同発電」なのです。
個人での全量買取での再生可能エネルギーの普及が進まなかった主な理由は
・建設資金
・建設場所の確保
・社会問題解消への転嫁
が主な理由に挙げられます。
一方、市民共同発電として取組んだ場合は上記の問題を解決しやすいとして、下記に記す理由からこれまでに500近い数の発電所建設が取組まれています。
・金銭的な負担割合が少なくてすむ
・団体活動となるので、地域社会の問題解決意識も上がり自治体との協力体制が図れる
・売電から得る収益を地域の社会問題解消に充てる事が多い為、賛同・共感者が増える
・地域社会の自律的発展が望める
市民共同発電の構図
市民共同発電の在り方にはこれだという決まりはありません。母体組織の規模や設置できる現状など様々な方法と手段があります。ここでは有限事業責任組合(LLP)を例に挙げます。
上記の他に、法人格を有する事業者を中心とした構図では、
・出資者を「第二種金融商品取引業者」と契約して全国から出資者募集する方法
・金銭消費賃借契約(疑似私募債)で資金調達を行う方法
・銀行から設備投資に関する融資を受ける方法
・信託会社と契約して全国から出資者募集する方法
・少人数私募債を利用して資金調達する方法
などがあります。
いずれも市民共同発電においては、10Kw以上50Kw未満の出力規模での低圧に留める規模が中心となる。これは50Kw以上の発電規模になると一般的に高圧での電気契約が必要となりキュービクルと言われる受変電設備や法定点検など様々なイニシャル経費や手続きその他運転維持費がかるからである。